- 硯(すずり) -
文具四宝の一つ。
硯は使用後に必ず洗うのが常識。
その前にやはり普段に使ってやること。
石は人肌を慕い水を恋うという。
古硯ならなおさら、墨を磨らずとも、折々は手で触れ水に濡らすのが愛情。
「こっとう図鑑」 光芸出版編より
こちらは、斑紋入りの雲龍図が彫られた見事な硯です。
龍の鱗まで細かく彫られています。
その他、端渓硯や龍渓硯、紫雲石、赤間硯、松渓石、雨畑硯、などなど
中国の石・日本の石と、さまざまな石で作られた硯がございます。
- 硯箱(硯箱) -
『文房四宝硯の話』から引用。
金銀蒔絵の硯箱は、ちょとした骨董店なら、一つや二つ抱えている。
そこそこのなら、もう数百万金というだろう。
それなのに、主なる硯は、私でさえタダでもいらぬようなのが多い。
といい、日本には良い石がなかったし、今もないのを嘆いている。また、
そんな石の貧しさを、蒔絵<硯箱>でもってカヴァーしたのだろう
と、日本の月<硯箱と水滴類>とスッポン<硯>の差を分析している。
「こっとう図鑑」 光芸出版編より
硯箱には、硯と筆と墨と水滴が収納できるようになっています。
骨董屋にある蒔絵の見事なものは、使うにはもったいないので
箱に入れて収めてしまうのでしょうね。